【本】「1981年のスワンソング」/五十嵐貴久

「1981年のスワンソング」五十嵐貴久

自分が「1981年」生まれなので、書店に並べられてからすぐ目に入った。書店に寄るたびに数度買うか買わないか悩んだが、設定が面白そうなのでやはり買ってしまった。

1985年生まれの青年がどういうワケか2014年から1981年にタイムスリップしてしまい、生活のため背に腹は代えられないと後世の名曲を次々と自身の作詞作曲として発表していく。

話中に次々と出る名曲が、1981年の中でどういうリアクションを取られるかなんて当然現実には分かりっこない。だが、こういうリアクションをされるだろうな、という想像は容易にできた。タイムスリップものの中ではかなり斬新な方だと思う。

面白い部分を語ろうとすれば必ずネタバレに繋がってしまうので多くは触れられないが、1981年生まれの自分には十分楽しく読めた。

ちょっと残念なのは、主人公がどうしてタイムスリップしてしまったのか、物語はどこに落ち着くのかという部分が雑だったり急だったりしたかなと。あと、物語の中でいくつか盛り上がる部分が出てくるが、そこまでの導入がちょっと冗長かな。どうしても退屈な部分が出てくる。

五十嵐貴久という作家については本作の他に「○○○○年の○○」というフレーズの作品が多々あるようだけど、とりあえず1981年だから手に取ったところもあるしまた生まれに近い年代で面白そうなテーマだったら読んでみたい。