【本】「桶川ストーカー殺人事件」/清水潔

「桶川ストーカー殺人事件 ―遺言」清水 潔

前回読んだ「殺人犯はそこにいる」があまりにも面白かった、というか衝撃的だったため、同じ作者(=清水 潔)が暴いたもう一つの有名な事件の方の本も購入。時系列的には「殺人犯はそこにいる」よりも前に起きた事件となる。

「おかしいものはおかしい。だから自分で調べて明らかにする。」という作者のスタイルは凄くシンプルだが、それを貫くのは簡単な事ではない。この事件でも警察を相手にしながらよくもまぁ根気良く調べ続けられるなと感心する。こんなジャーナリストが日本に何人いるのだろう。

「殺人犯は~」では、ある事件についての冤罪疑惑、そして背後に隠れたより多くの事件の真相を追究するという内容だった。途中自らの非を隠蔽しようとする警察という組織に “警察が嫌いになりそう” と書いたのだが、本作でも警察が圧倒的に悪い。もう警察に対してただただ嫌悪しかない。

本作、警察(埼玉県上尾署)は明らかに加害者の立場でしかなく、もう何一つ信用できるものが無い。冒頭から被害者の女子大生が何者かに殺されるわけだが、殺害までの過程でどれだけ警察に裏切られ、傷つけられてきたか。読んでてとても辛かった。しかも隠蔽の為に被害者の印象を誤らせるような虚言まで繰り返すという有様。「殺人犯は~」の何倍にも怒りが湧く内容で上尾署にはただただ呆れるばかりだった。

上尾署にはこの先、永遠にこの不祥事が付きまとうだろう。実際この事件が何らかの形で報道されるたびに批判の電話が殺到するらしい。現職の警察官たちは何の関係もないだけに、そこだけはかわいそうだと思う。